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ご利用者の声 / 横山 雄士先生
多職種連携が抱えるさまざまな課題を解決
もともと、いまの多職種連携のやり方には危機感を抱いていました。当院では以前、患者の主治医が処方した薬について連絡をもらえず、トラブルになりかけた経験があります。こうした行き違いが起こらないよう、もっとスムーズに連携できる仕組みはないかと探していた時に、メディカルケアステーション(以下MCS)と出会ったのです。
MCSの活用で便利になったのはもちろんですが、何より患者や家族からの信頼が高まりました。例えば、在宅で診ている重症心身障がい児は自ら訴えるのが難しく、口腔内からの出血に家族はどのようにしてよいのか分かりません。しかしMCSならば、家族が患者の写真を撮ってアップすれば担当医がすぐに確認し、判断できます。
さらに当院では、多職種が集まるサービス担当者会議においてもMCSを活用しています。以前は各参加者のスケジュール調整が大変でしたが、いまはMCS上でいつでも意見交換ができ、他の参加者とも情報を簡単にシェアできる。医療・介護関係者の負担軽減にも大いに役立っています。
MCSが提供する「簡単」「便利」の先にあるもの
今後は訪問歯科向けの公式アプリもリリースされると聞き、とても期待しています。そのアプリでは訪問歯科に必要なチェック機能のほか、MCSに保存した数値を集計できる機能もあるそうです。データ集計が簡単になれば、学会などで実績を発表しやすくなりますし、ひいては訪問歯科全体の質的向上にもつながります。
多職種連携が鍵となる在宅診療のニーズが高まるなか、これからは歯だけを診る歯科医では通用しません。食べるためには何が問題なのか、環境的・機能的・心因や認知などまで含めてその方に寄り添わないと何も解決できないのです。実際に当院でも、在宅患者の歯科診療を依頼された際に、医師や訪問看護師の方々から「口腔ケアのおかげで患者に表情が出てきた。歯科が連携に入る大切さを初めて実感した」と言われた経験があります。
最近は歯科医を目指す人が減ったそうですが、MCSを活用した質の高い訪問歯科診療をアピールすることで、歯科の重要性や楽しさに気づいてほしい。MCSは、単にITを利用して便利になるものではなく、医療・介護関係者自身のモチベーションを上げる存在だと確信しています。